いい話メモ

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長女ハイジが小学6年のときの話である。

小学校の近くに図書館があるので、ハイジはときどき本を借りてきた。
しかし、だいぶ前に借りた本がいつまで経っても机の上に。
「本返さなくていいの?」と言うと「うん、返す」と返事をするものの、
いつまでもそのまんま。

ある日、ハイジが「ノートとか買いたいからお金ちょうだい」と言った。
ムムッ? 様子がおかしい。
目がキョトキョトして冷静を装おおうとして冷静じゃなくなっとるっ。

ピーーーーーーーーーン!(←母の第六感)

「あんた、図書館で借りた本をなくしたんでしょ!」
ギクッとするハイジ。

「だから新しいのを買って知らないふりして返そうとしたんだろ!」
「┬┴┬┴┤ ̄;) は… はい…」
「バッカじゃねえの!? 図書館の本には図書館のシールが貼ってあるの!
 それが貼ってないならすぐにウソがバレるよ!」
「┬┴┬┴┤ ̄;) そ… それじゃ… どうしよう… (涙声)」
「ちゃんと本当のこと言って謝ってきなさい!」
「叱られるよぉぉ」
「自分が悪いんだから叱られてこいっ!
 でも、ウソつくよりはずっとずっといいんだよ!」
「は… はい…」

そして図書館から帰ってきたハイジが言った。

「あのね、本当のこと言ってちゃんと謝ったらね、図書館の人が、
 『今まで本をなくして正直に謝ってくれた人は初めてだ』って言ったの。
 『みんな知らないふりをするか弁償するからって言うだけ』だって」

ハイジの顔が嬉しそうになって…

「『ちゃんと正直に言ってくれて嬉しい』って言われたの。
 それでね、『本をなくした償いにやってほしいことがある』って!

『あなたの友だちに図書館で本を借りようって宣伝してね。
 学校のみんなに、図書館にはいろいろな本があるよって教えてあげてね。
 それをやってちょうだい』って言われたの!」

私は涙が出た。
なんて素晴らしい言葉だろう。
なんて素敵なことをしてくれる司書さんだろう。
ただ叱って終わりじゃなく、素直に謝ったことを認めてくれて、
そして「償い」は図書館の宣伝!
こんないい人が世の中にいるんだ!

私は心の中で司書さんに「ありがとうございます」とお礼を言った。
おかげでハイジはウソではなく本当のことを言う大切さを知りました。
素直に謝ることがいちばん大切だと知りました。
そしてまた図書館に行けるんだと思えることができました。

ハイジはもう幼稚園の先生なんぞする年になったけれど、
このことは私の中にいつまでも大切な思い出として残っている。