間違い 小学校でクラス名簿を作ってはいけない

http://internet.impress.co.jp/kojinjohoblog/archives/2005/10/post_20.html

回答
 クラス名簿は絶対に作るべきです。

解説

 驚くことに、最近学校で、クラス名簿を廃止したということを聞くようになって来ました。その理由は、クラス名簿に記載するのは生徒の個人情報であって、名簿を作って生徒に配る行為は、他の生徒に、生徒の個人情報を提供すること、すなわち第三者提供に当たるのだから、同意がない限り行ってはならない、というものです。加えて、生徒や保護者がその名簿を紛失した場合には、個人情報の漏洩事件となるので、怖くて名簿を作ることができない、というものです。


 まず、生徒の情報を他の生徒に伝える行為は、第三者提供にはあたりません。生徒本人にとっては、他の生徒は他人ですが、同じコミュニティを構成する構成員であって、相互に影響しあうのですから、相互に情報を提供しあい、交流するのは当然なのです。そもそも第三者提供というのは、事業体としての学校などが、学校の外部の、別の組織体などに提供する場合を言うのであって、学校内部で生徒同士が知りあうことなどに利用することを対象とはしていません。第三者とは、本来提供を予定していない場合をさすのであって、もともと共有することを想定し、共有しなければコミュニティが成立しない場合については個人情報保護法の第三者の規定の適用は予定していないというべきです。生徒相互は第三者とは見ない、見る必要はない、といっていいでしょう。


 クラス名簿を作ることもできず、クラスにいる生徒相互が互いに知り合うきっかけがもてず、お互いどこに住んでいるかも確認できず、生徒が孤立する状態を奨励するような仕組みは到底認容できません。近所に住むもの同士がお互いを認識し、助け合い、ともに学び、遊び、成長するためにもこうした情報の共有は必須でしょう。また、年賀状を相互に出してお互いの交友を暖めることも、成長の一過程として重要でしょう。


 ただし、クラス名簿を作ったときや緊急連絡表を作ったときには、その取り扱いについて十分な指導が必要なことはいうまでもありません(問50参照)


投稿者 牧野二郎 : 05:17